マイ・ノベル・バンク

ここはオリジナル小説の貯蔵庫です。気に入ったらちょっとの間お立ち寄りください。

27.しょうこへ #2【たった一人の読者】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 喧騒の後 店内では、後に残された山田のお母さんと、あと2人のスタッフがあっけにとられていた。 「びっくりしたあ。一時はどうなることかと思ったわ。」 「それより、店長が…

26.しょうこへ #1【珈琲店 23時】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 あらすじ・・・ 多田深結稀は34歳、コーヒーチェーン「都城珈琲」の店長である。日々店とアパートの往復を繰り返して仕事に打ち込む深結稀であったが、過去につらい思い出を…

25.隠れ家 #2【約束の場所】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 異世界人 島崎は、目の前に聳え立った巨大な影の前に立ちすくんでしまった。 島崎の脳裏には、悲惨な現場に遭遇した後、幻覚や幻聴に悩まされ、ついには現場を去っていた同僚の…

24.隠れ家 #1【事件】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 あらすじ・・・ この話は、幼い少女の失踪事件から始まります。警察は、異例の捜査体制をひいて早期解決をめざしますが、少女の行方はようとして知れません。その中、専従捜査…

23.彼方からの伝言 #5【再会】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 ステーション 「既視未来?」 初めて聞く言葉だったのだろう。 弟は、その単語を噛むように繰り返した。 「はい。タイムトラベルすることは、私たちにとって未来の出来事です。…

22.彼方からの伝言 #4【彼方への旅】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 彼方への旅 私は仕方なくアパートに封筒を持って帰り、弟に今日聞いたことを話した。 弟が医者の道を目指せるよう支援したいと言う母の申し出を伝えた時、彼の表情は複雑だった…

21.彼方からの伝言 #3【母のそれから】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 母のそれから それから、一週間後、泉本百合の代理人の北里弁護士から、また接見を求める連絡があった。 今度は、弟と2人、市内のホテルで会いたいと言う申し入れだった。 「ど…

20.彼方からの伝言 #2【母と言う名の虚夢】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 ただ一筋の光 あれは一体何だったんだろう。 5歳の頃、あまりものごとが分からないうちは、なんとなく受け入れられた。 でも時が経つに順い、あの出来事の異常さがだんだん分…

19.彼方からの伝言 #1【5歳の記憶】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 あらすじ・・・ 悲惨なネグレクトの被害者だった藤間美瑠(とうまみる)は、5歳の時、母親に弟と置き去りにされて命を落としかける。だが、死の淵にいた二人を救い出したのは…

18.早くち

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 津波の記憶 優(まさる)は中学1年生。 祖母と東京で暮らしている。それは、4年前、まさるはまだ小学3年生だった。 午前の授業が終わった時、ぐらぐらぐらと校舎が大きく揺…

17.8代前と10代前

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 霊能者 「行者様、この人はうちのお友達の村上沙夜(さや)さん。 ご自分で商売してはるんやよ。」 「村上です。」 初老の二人の夫人が訪ねたのは、街から少し離れた場所に有る…

16.崩され島

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 大俳優の死 日本の演劇界に、その人有りと言われた大俳優が死んだ。その名を、武島象二郎。昨年、舞台稽古中に倒れて緊急入院後、長らく自宅で療養を続けていたが、誤嚥がもと…

15.志乃さん #04【おとこ前彼女】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 策士 「いや、たいしたもんだ。松木電子さんがここまで本気に取りにくるとは正直思わなかったよ。」プレゼンの後、応接に招き入れられた一二三数人(ひふみかずと)と古澤志乃…

14.志乃さん #03【プレゼン・デー】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 戦略 そう言って、別れた古澤志乃(ふるさわしの)であったが、翌日は朝から姿がなかった。 あの志乃の言葉に今日はどうなるかと身構えていた一二三数人(ひふみかずと)は拍子…

13.志乃さん #02【おとこ前始動】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 居酒屋 「私あまりお店とかいかないので、昔来たきりなんですけど。」 「いや、志乃さんがこんな店を知っているなんて意外でした。」 古澤志乃(ふるさわしの)が一二三数人(…

12.志乃さん #01【ひふみのなやみ】

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 定時前 夕方のオフィス、中年の男性が、読んでいた資料から眼を上げると奥の席に向かって声をかけた。 「志乃さん、お~い、志乃さん、ちょっといいかな。」 「はあい。」 志乃…

11.塔子

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 塔子 彼女の名前は、篠田灯子(しのだともこ)。 高校1年生。 しかし、クラスメートからは、『塔子』と呼ばれていた。 口の悪い男子は『タワー』とも呼ぶ。 それは、彼女の背…

10.2075年

ムーアの予言 かつて、インテルの共同設立者の一人、ゴードン・ムーア博士は、コンピューターの集積回路の密度は24カ月で2倍になると言った。 これは後年ムーアの法則と呼ばれた。 このムーアの法則によれば、2045年には、コンピューターの性能は人間…

09.星の降る夜に

海から来た恐怖 ライナが東の国に連れ去られたのは、まだ10歳の時だった。 ライナは赤毛と、深い緑色の瞳のやせっぽちの少女だった。 はるか西、海の近くの小さな家で、機械技師の父親と母親の3人で暮らしていた。 しかし、彼女が10歳の誕生日、海から…

08.空気とダイヤモンド

注意:この作品はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。 寒い冬の朝に それは、寒い冬の朝。 玄関のベルが心地よい朝のまどろみを破った。 しぶしぶ暖かい布団から身を起こして玄関へ向かう。「ちょっと待ってください・・・。」 ノブ…

07.新訳、シンデレラ

注意:普通のシンデレラが好きな人は決して読まないで下さい。 意固地な娘 シンデレラは、ある裕福なお屋敷に生まれました。 ところが、シンデレラがまだ子供のころ、お母さんは流行り病で亡くなってしまいます。 母なし子になったシンデレラを憐れんでお父…

06.蜂の巣箱

午後3時の来訪者 午後3時を告げる時計の鐘の音が陰鬱に響いた。 年代を感じさせる重厚な調度に囲まれ、老人はときおり軽く咳き込む。 彼は病んでいた。死病に取り付かれながらも、それでも生への執着が断ち難い老人は、金にあかせて探させた名医を次から次…

05.人類誕生

ファースト・インパクト 今から6,500万年前、彼らは始めて地球に降り立った。 強力な武器を持った彼らは、地球に跋扈していた巨大な爬虫類を数匹倒した。 それは味見をするために。 彼らは、食料を求めて宇宙を旅する流民であった。しかし、鋭い牙と鎧に覆わ…

04. ひっそりと生き、名もなく死ぬる

太閤の郷愁 「いつの間にか、わしも60じゃ。まったく人の一生は早いものよ。」 太閤は誰に聞かせるともなくひとりごちた。「このところ、何かと生まれ育った中村の郷が懐かしく思い出される。前から、折あらば一度尋ねてみたいと思うておったが。」その日…

03.ロボ課長

1日目 「ねえ、聞いて!」 「うちの課って、課長が部長に昇進してから、課長席が空きだったじゃない。 しばらくは、部長が兼務してたんだけど、それじゃあって、新しい課長が来ることになったの。」 「そしたらねえ! なんと新しい課長は、誰だったと思う。…

02. 婚役

やもめ二人 <居酒屋にて>仕事帰りの会社員の会話。 「お疲れ~」 「お疲れ~」 「そういえば、ここ今月5回以上来ているな。」 「独り身なればこその贅沢というやつだね。」「そう言えば、俺達、今年いくつになる?」 「何、寝ぼけてんの?29だよ。」 「…

01. 今日、町に始めて救急車が来た。

町長の願い 今日、町に始めて救急車が来た。そして、町長は、ずっとこの日を待ち望んでいた。 「これで、一人でも多くの命を助けられる」町長が若いころ、彼の身重の妻が大量に出血をした。 そして、隣町の救急車が駆けつけて搬送を行った。 病院での手当て…